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客を取る 5

私は、激しく上り詰めると、身体から力が抜けてしまい、身動きできなくなる。
でも、今日はベッドに横になったままというわけにはいかない。

なんとか身体を起こし、とりあえずの身づくろいをする。
ウェット・ティッシュで股間を拭き、ベッドの脇に落ちていた黒いTバックショーツを身につける。

シャワーを浴びに行った男性が戻ってきた。

「順子さんやったな、ワシ、関口言うねん」

いきなり自己紹介されて、戸惑う。

「あんた、美人やし、とてもいい尻してるで。インテリなのもワシの好みや。ワシ、だいたい2週間に1度のペースで上京するねん。また、買うてうやるから、連絡先、教えてぇな」

個人取引は、坂崎さんから禁じられていた。
だけど、私は、電話の脇にあったメモ用紙に、自分のPHSの番号と名前を書いて渡していた。

この関口という男性の気さくな人柄が、そんな気にさせたのだと思う。

身支度を終えてメモを仕舞い、「ほな、またな」と出て行く男性をドアのところまで見送る。

一人になり、ため息をつく。
時計を見ると、18時だった。

電話が鳴った。フロントからだった
「お連れ様、お帰りになりますが・・・」
「はい」

ああ、男性が一人で先に帰る場合は、こういう連絡が入るのか・・・。

その電話で、坂崎さんに連絡を入れるのを思い出した。

「今、終わって、お帰りになりました」
「どうだ、初めて身体を売った気分は?」
「はい・・・・・、とても感じてしまいました」

シャワーを浴びて、身体の内外を洗う。
乱れた化粧を直そうと、洗面所の鏡の前に立つ。
濃い化粧の黒い下着姿の女が少し疲れた顔をして映っていた。

「これが私・・・、娼婦に堕ちた私・・・・」
真っ赤な唇がつぶやいた。

(了)

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プロフィール

風祭順子

Author:風祭順子
10年前まで、男性として大学講師をしていました。
その後、女装マゾの世界に溺れ、とうとうニューハーフ娼婦に堕ちました。
約8年間、毎週2~3日、娼婦として男性の性欲のお相手をする日々を過ごしました。

このブログでは、「なぜ、私は堕ちたのか?」、そのいきさつを書いてみようと思います。
画像は、4年前の私の姿です。

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