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熱い夏 2

私の問いかけを待っていたかのように、S山さんはバッグからB5版の紙を綴じた冊子を取り出した。

「まず、これを読んで欲しいんだ」
と言いながら、私の前に置く。

表紙には「熱い夏」と題が記してある。

中を開くと、それは脚本のような感じで、情況解説と簡単なセリフがワープロで印字されていた。
見開き頁に1つくらい、なかなか達者な筆でイメージ・デッサンのような絵が入っている。

その絵は、1人の女に3人の男が絡んでいるものだった。
場所は、ベッドや浴室などいろいろだ。屋外もある。
よく見ると、女の股間には肉棒があった。

「これ、3P、いえ、4Pのシナリオですか?」と私。

「うん、そういうこと、商売物ではなく、プライベート・ビデオだけどね。そのイメージ・デッサン、僕が描いたんだよ」
「お上手なんですね。で、私にこれを?」
「順子さんメインで撮りたいんだ。他のメンバーはもう決めてある、というか僕のその趣味の仲間なんだが」
「・・・・・」
「もちろん、ギャラは出すよ。できるだけそっちの希望に沿うようにする。もちろん常識的な線でだけど」
「お金のことより、ビデオに撮られるとなると、後が不安です」
「それは、大丈夫。メンバーは、皆、ちゃんとした人だから。仲間内の上映会はするけど、ダビングは参加メンバー限定にする。それは約束する」

私は、シナリオを最期まで読みながら考えた。

仕事は順調だが、その一方ですっかり娼婦稼業に慣れて、だんだん刺激が少なくなっていた。
何か新しい刺激が欲しいのは確かだ。

問題は撮られることのリスク、言葉を換えればS山さんたちの信用度だ。

「前向きに考えますけど、正式にお返事する前に、残りの2人のメンバーの方のこと、きちんと教えていただけますか? できれば、お会いしてから決めたいです」

「わかった。じゃあ、早速、4人で食事でもするよう段取るよ。あ、それ、持って行っていいよ」

私は冊子を手提げ袋に入れた。

「ああ、それと、今日の予約は、今の話で済んだことにしてくれ。前向きな返事を聞けただけで十分だ。できるだけ早く連絡するから、よろしく」

S山さんは、私に茶封筒を渡すと、あわただしく席を立って行った。

茶封筒の中をそっと確かめると、大きなお札が5枚入っていた。

(続く)







comments

なぜだろう

貴女のようになりたいと
思ってしまいます

貴女の記事を読んで

私ももっと若ければ貴女のようになりたかったです。でも今の限りなく女になった貴女に是非お会いしたいです。可能でしょうか。どこに行けばお会いできますか。できれば一夜ご一緒に過ごしたいです。

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まとめ【熱い夏 2】

私の問いかけを待っていたかのように、S山さんはバッグからB5版の紙を綴じた冊子を取り出した。「まず
プロフィール

風祭順子

Author:風祭順子
10年前まで、男性として大学講師をしていました。
その後、女装マゾの世界に溺れ、とうとうニューハーフ娼婦に堕ちました。
約8年間、毎週2~3日、娼婦として男性の性欲のお相手をする日々を過ごしました。

このブログでは、「なぜ、私は堕ちたのか?」、そのいきさつを書いてみようと思います。
画像は、4年前の私の姿です。

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